糖質代謝に重要なα-リポ酸とは?
α-リポ酸とは?
糖の代謝にかかわる重要成分
α-リポ酸(アルファ-リポ)は別名チオクト酸と呼ばれる脂肪酸の一種です。細胞小器官であるミトコンドリアで働く補酵素の一つとしても知られています。60兆個存在する細胞すべてに存在する成分で、糖質の代謝や抗酸化物質としても働き、代謝に欠かせない栄養素の一つです。
食品では牛・豚の肉類などに含まれる
α-リポ酸は牛や豚の肝臓、心臓、腎臓に多く含まれます。また、野菜でほうれん草、トマト、ブロッコリーなどにも含まれています。しかしながら、食品に含まれるα-リポ酸は微量で、1日100mgを目安に摂取しようとするとほうれん草にして約400kgも摂取しないといけない計算になります。
糖質の燃焼に関わる成分
α-リポ酸は糖質からのエネルギー産生に関わります。
体内でも微量に生成される物質ですが加齢とともに減少してしまい、食品やサプリメントから摂取することがおすすめです。
抗酸化物質としてのα-リポ酸
α-リポ酸は両親媒性であり、水にも油にも溶ける性質を持ちます。その為、水相細胞質(血中や細胞質など)と油相細胞膜(細胞の膜、脂質の部分)のどちらにでも働くことができ、体の隅々で活躍する抗酸化物質となります。
またα-リポ酸は、既に抗酸化物質として働き、抗酸化力を失ったビタミンA、C、Eやグルタチオンなどの他の抗酸化物質を再生し、もう一度抗酸化力のある物質へと戻す働きを持つ物質としても使われます。(Scholish H et al.. 2004, Busse E et al.. 1992, Kagan V et al.. 1990)
重金属の排出を促す働き
体内に存在するリポ酸はジヒドロリポ酸と呼ばれ、有害重金属を捕まえる-SH基がある為、重金属とキレート結合をし、有害重金属を体外に排出する働きを持ちます。
幅広い働きを持つα-リポ酸
α-リポ酸がさまざまな代謝に関わっているのがお分かりいただけたでしょうか。ちなみに、α-リポ酸は空腹時に摂取すると満腹時に比べ、2~2.5倍程度吸収が良くなるというデータもありますので効率よくリポ酸を摂取したいという方はご参考になさってください。(C,H, Gleiter et al.. 1996)
普段の健康維持に非常に重要な成分なα-リポ酸もうまく使ってより良いエイジマネジメントをしていきたいものですね。