ミネラルとは?
生きていくうえで必要不可欠な身体の構成栄養素。
ミネラルはビタミンと同様にごく微量に身体に存在する栄養素で、『からだの調整に欠かすことのできない栄養素』です。
人体の約95%は酸素・炭素・水素・窒素の4元素で構成されます。
ミネラルは自然界に100種類以上存在しています。中でも、体内でさまざまな働きをする栄養素として必要な物のなかで、通常の食事からでは不足しがちなミネラルを「必須ミネラル」といいます。現在、必須ミネラルは16種類とされています。
必須ミネラルと言われている栄養素は、カルシウム(Ca)、リン(P)、カリウム(K)、硫黄(S)、塩素(Cl)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、ヨウ素(I)、セレン(Se)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)です。
ミネラルの働き
体内でのミネラルの働きは大きく分けて3つにまとめられます。
①身体の構成材料として働く・・・骨、歯などの身体の構成成分になる。
②生体機能の調整を行う・・・体液に溶けてph・浸透圧を調整する。神経・筋肉の興奮性の調整をする。
③タンパク質などと結合して働く・・・酵素の構成成分となる。
特に、予防医療のなかでは抗酸化酵素の構成成分として必要不可欠である。例えば、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)では亜鉛、銅、マンガン。グルタチオンペルオキシターゼではセレン。カタラーゼは鉄といった必須ミネラルです。
必須ミネラルの働き
必須ミネラルは体内で重要な働きをしています。それぞれのミネラルが、お互いの働きを助け合いながら代謝をおこなっています。
現代人は慢性的なミネラル不足
ミネラルは体内で合成されることはありません。
ミネラルを摂取するには、食事やサプリメントから摂取しなければなりません。
本来、バランスの良い食事からビタミンやミネラルを補う事が好ましいですが、栄養価の低下が著しい食品からはなかなか難しいことが分かります。(下図参照)
大量生産大量消費の時代に入り、食べやすさ、味の良さ、野菜の育成のしやすさなど、野菜の品種改良が行われ、ヒトに好まれる野菜が作られる一方で、栄養素が減ってしまっていることが分かります。
ミネラルが欠乏することでさまざまな症状が出ることもわかっています。
その他にも、「水や大気汚染」「土壌の枯れ」「精製・加工食品」「食品添加物」の影響も多く、必須ミネラルは欠乏傾向にあるとされます。
その為、食事はもちろん、サプリメントなどからもミネラルの摂取が推奨されるようになってきています。
有害ミネラルの摂取が増加している
日本は島国であるため、普段の食事に魚介類を召し上がる方も多いのではないでしょうか。魚はDHAやEPAなど良質なω-3系脂肪酸を多く含みヘルシーな食材です。
普段の食事でも美味しく召し上がっていただきたい一方で、どうしても付いてくる問題が重金属の問題です。特に魚介類には工業排水などに微量に含まる水銀が、食物連鎖の過程で蓄積してしまうという問題があります。
特に食物連鎖の上位にあたる大型魚(マグロなど)の肉には重金属が含まれています。
微量であれば自然と排出されていく重金属ですが、多量に摂取してしまうと体内に滞留し、ヒトの代謝に必要な必須ミネラルの吸収が阻害されてしまいます。
有害ミネラルの蓄積は、蓄積の度合いにより体への影響も大きく、定期的に体内への蓄積を検査する予防医療クリニックも増えています。
有害重金属を体外に出すために
有害重金属は体内に蓄積しやすい性質を持つため、予防医療クリニックなどでは体外に出すためにさまざまな方法がなされます。
代表的なものがキレーションと呼ばれる、キレート剤を点滴などの投薬によって体内に蓄積された有害な重金属を排出する治療です。
その他にも有害重金属と拮抗するミネラル(拮抗作用とは、特定のミネラルだけを過剰に摂取すると他のミネラルの吸収を妨げたり体外への排出を促進したりすること)を摂取することにより強制的に体外に排出させる方法を用いられることもあります。
良質なミネラルを
日ごろから不足しがちなミネラル。
身体に必要な物だからこそ、サプリメントなどもしっかりとした品質のものを選び、より良質なミネラルを摂取するよう心がけましょう。